第三話

9/9
574人が本棚に入れています
本棚に追加
/113ページ
初音も武家の子女の端くれだ。 このような無体(むたい)を最後まで受けて、おめおめと生きる気は毛頭ない。 一生をその御身だけに捧げると誓った、兵部少輔のためにも。 生き恥だけは(さら)したくない。 ……初音は息を吸って、口の中で歯を上げた。
/113ページ

最初のコメントを投稿しよう!