第二話 死人の手

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第二話 死人の手

ある日、夢を見た。 お母さんと一緒に遊園地に遊びに行った夢...。 その遊園地には脱出ゲームがあった。 『貞子から逃げろ!』っていう感じで、 部屋の鍵を開けて、追ってくる貞子から逃げるっていう単純なゲーム。 興味があって、お母さんと一緒に参加した。 スタートという合図とともにゲームが始まり、 後ろの扉から貞子が出てきた。 最初の部屋、 鍵は部屋の真ん中にポツンと置いてあった。 それを取って、ドアに向かった。 私たちはお母さん、自分の順番で走っていた。 お母さんがすぐにドアを開け、次の部屋に入っていった。私も後に続く。 次の部屋も同じだった。だけど、何かが違った...。 「ドアが小さい」 一応通り抜けられるけど、はって進まなければならない。 お母さんがさっきと同じように、鍵を開けようとした。 ..........。 さっきよりも時間がかかっている。 その時後ろから気配を感じた。 その瞬間、左足首を誰かに掴まれた。 誰かはわかっている。 貞子だ。 その手は冷たかった。 まるで、死人のよう... その時目が覚めた。 まだ外は暗く、夜中だった。 なんだか違和感を感じ、左足首を触ってみる。 ...............。 冷たかった。 そこだけ、冷たかった。 確かに冬だから冷たくなったのかもしれない。 けど不自然に、そこだけが冷たい。 思わず布団をかぶり、その夜は震えながら眠りに落ちた。 死人の手end
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