血液依存

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 国道沿いにある警察署前を逆走する意味不明な遊び。中卒土方の走行距離二十二万キロのセルシオは、常にレギュラー現金千円分だった。そのまた先輩だとか知り合いの煙たい部屋で時代遅れの格ゲー、麻雀はアリアリで、ドベはコンビニで銭形警部をやらされ、千点棒に代えて煙草でリーチをかけてもよいルール。あるいは入れ替わり立ち替わり男女一組で炬燵の中に潜り込んでゆく。 「人生捨てた」が口癖のスキンヘッドがスーパーで万引きしてきたスミノフや紙パックのアル中御用達みたいな焼酎のコーラ割りを食らう。キャバ嬢みたいな格好の小太りはプリクラを貼った履歴書をアルバイトの面接に持っていき、顔面差別で落とされたと怒っていた。  いかにして楽に大きく稼ぐか。アングラな会議の結論は毎回メンバーが違うはずなのにいつもツツモタセで、そのうちに東の空が白みはじめ、吉野家に行こうと誰かが言い始めるが結局いつの間にか全員がそのまま眠る。
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