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本編
場面は、梅の木にカメラを取っている女。
木の近くには道路がある。
チャラついた男、歩いてくる。
男「そこのカメラ取ってる君!」
女「……私、ですか?」
男「うんそう!眼鏡の似合うそこの麗しい君!写真?何取ってるの?」
女「梅の木をとってるんです」
男「へぇ、これか。いいねぇ。道路の脇にそびえる一本の木。梅の花もぽつぽつと咲いてるしねぇ」
女、もう一度ファインダーをのぞき込み、写真を撮っている。
時折、首をかしげる。
男「普段どっち撮ってるの?景色?人?」
女「(ちょっと警戒しつつ)……もっぱら風景になるんですかね?あんまり、人を取るのは苦手で」
男「へぇ、でもめっちゃ写真好きそう!なら、いい風景に見える場所教えてよ!そしてさ、僕と一緒に―――」
女「(スルー気味に)なら、今まで撮った写真、スマホに保存しているんです。見ますか?」
男「え……あ……。(気を取り直して)うん、見せてよ~」
女、スマホを操作し、画像を男に見せる。
男、のぞき込む。スマホの画面は、被写体らしきものが見えるが、
どこか位置がずれている。
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