本編

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     次々と、スライドして男に見せるが、どの写真も同じよう。 男「あ、えーと……これってゲイジュツってやつかい?めっちゃ、ユニークな感じだねぇ……いいじゃん。あはは」      女、笑みを浮かべ会釈をして、また、梅の木の写真を撮り始める。 男「しかし、そんなにとってて疲れない?ここら辺危ないし。それに雪降ってるし。暖まらない?なんならさ、休憩ついでに近くの喫茶店に行こうよ。それか、僕を抱きしめつつ温まるでも―――」 女「(さえぎって)そうですよね。ここって、事故多発地域ですよねここ」 男「知ってるんだったら、なおさら―――」 女「大丈夫です。道路に出なければいいんで」 男「そうかい。でもさ、気分転換にでもいいとおもうよ~。ほら、ブレークタイム!」 女「そういえば、ここの噂って知ってます?」 男「……へ?噂?」 女「はい……。ここの事故、今まで全員被害者が若い女の人なんです。私と同じくらいの」 男「へえ、でも、それって偶然じゃない?」 女「ええ、まあ、それだけなら、百歩譲って偶然です。ですけれども、ここからが奇妙なんです」 男「ん?」 女「実は、それぞれの事故に目撃者がいるのですが、皆、口をそろえてこうおっしゃるんです」 男「なんて?」     
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