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女「『この梅の木の下で、誰もいない中、一人で誰かと楽しく話していたかと思ったら、
突然車にめがけて飛び出してきた』と」
男「へぇ……」
女「このお話には続きがあって、被害者は皆、頭を打ち付けて血を流して亡くなるのですが、どうしてか、その流れた血があの梅の木に吸い寄せられるっていうんです。まるで、血をほしがるかのように」
男「すごい話だね……。なんか、桜の木とかもそういう噂聞いたことあるよね」
女「(ニコっと)はい。『桜の木の下には死体が埋まっている。なので、桜のあの綺麗な桃色は血を吸ったからだ』っていうのですね」
男「そうそう!そういう話、詳しいんだ?」
女「はい、詳しいというのも自信はないですが……。けれどもそういう話って大好きなんです。実は、写真撮りに来たのもその噂のために来ましたから」
男「へぇ、まじで?じゃあ、幽霊ってのは信じてるの?」
女「ええ。いたらいいですよね。それに私、幽霊って『いる』ではなく、『いた』ものだと思ってるんです」
男「『いた』?『いる』じゃないんだ?」
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