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クーリッシュ・ガールズの台頭
モダーヌで冴子達四人は、ジャズをBGMに、詩作に没頭していた。クーリッシュ・ビーツのメンバー達の、先頃公開されたプロフィールを見ると、アキラとマコトが、フランス詩に影響を受けた、と記されていたのだ。詩の朗読が好きな琴音は、歓喜した。彼女は冴子達に指導する。
「日本語は韻を踏みにくいので、無韻にするか、五七調の字数で揃えるんです」
「でも、クーリッシュ・ビーツ等のダンス音楽には、適用しにくいんじゃない?」
美和の意見である。
「次はファッションだね。クーリッシュ・ビーツはスーツを、マニッシュに着こなしている」
冴子、クーリッシュ・ビーツの先取りである。クーリッシュ・ガールも、スーツスタイルで統一すべきか、しばらく議論を交わした。クーリッシュの原則が三つ出来上がり、冴子が代表して宣言する。
クールなスタイルを信条とする
常に最先端であれ
文化に貪欲となれ
「だけど、時に原則に基づかないことを、恐れない」
最後は、冴子自身の美学だった。
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