[2] ラベンダー畑

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あぁ、またため息をついてしまった…… 自戒の瞬間、彼女が、思いのほか強い力で私を引き倒した。 首にまわされた腕は華奢。 視界が彼女の瞳に覆われた時点で、あぁ、彼女の顔が近いことを知覚する。 その瞳は虹で、あまりにも美しい。 「あなたから甘い香りがする」 ラベンダーに鼻をやられながら、よく解ったものだ。 彼女は時に簡単に、人の限界を飛びこえる。
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