02:山の中にて
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晴れの日も傘をさす珍妙な男・伊根屋。 小脇に俺の生首を抱えて獣道を行く。 「まだしばらくかかるからね」 「伊根屋。せっかく人が居ないんだから、俺は『ちゃんと』景色が見たい」 「高いところに行こうか?」 「意訳すると、持ち方を変えてほしい」 「ああ!」 「いや、傘じゃなくて俺の持ち方」 伊根屋は状況を読んで欲しい時に読まない男だ。
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