01:親友きたれり

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01:親友きたれり

室内であるにも関わらず傘をさす珍妙な男は、 こちらを見おろすと遠慮がちな笑顔で 「きみを助けにきたよ、未来の親友」と確かに言った。 俺はといえば、口からとぽとぽと血をこぼし、 首だけの姿で、ギョロギョロと目を動かしながら彼を見あげている。 「もう遅い気がする」 どうしてか俺は声を出すことができた。 生首なのに。
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