Ⅰ 三日月の夜に

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Ⅰ 三日月の夜に

 世の中には大きく分けると二種類の人間しかいない、と私は思う。 2つのうちの1つはまさに私。 これといった才能もなく見た目もフツー。 かと言ってめちゃくちゃ地味でもなけりゃ派手でもなく普通の中の普通、もしくはそれ以下。 一層、地味子の方が目立つんじゃないだろうかって思えるほど私にはこれといって特徴がない。 どこをどう取ってもフツーなのだ。 決して表舞台に立つこともなく、ただ、そこに居るっていうだけで…それが私なのだ。 逆にーーー 世の中には何をやっても目立ってしまう人達もいる。 全てにおいて、完璧で。自ら目立とうとしなくても、周りが自然とその人を中心に囲み出す。 どこにいてもいつだって無意識でも輝いてしまう。 それはまるで彗星の如く。 そして今、私は、その何をやっても目立ってしまう人にーーーー いや、三人だから人達か? その何をやっても目立ってしまう人達に何故かーーーー 凝視されているのだ。
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