Ⅰ 三日月の夜に

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うぅ…困ったな。 なんか、めちゃ、相手のペースに嵌められてる気がするんだけど。 そりゃ、正直、ありがたい話だよ。 住むところもお金も同時に得られるんだし。 それに他を探すって言っても中々、こんな条件の所見つかるか分からない。 えぇーいっ!悩んでも仕方ない。 細かいことは後から考えるとしよう。 一時しのぎだけでもお世話になろう! 決意すると私は 「ょ、ょろしく、ぉ願いします…。」 って、力なく言った。 ん? あれ? 私、大事な事を忘れてない? ほら、さっきの。 この人たち私の事カモだとか何だとかいってたよね? しかも普通の人間の力をとか… 結局、なんのこと? やっぱり怪しいかな。 お金とかありませんけど? まっ、いっか。 成るようになる。 私は昔からそうなんだ。 良いのか悪いのか、能天気なところがあって結局、最後、考えるのも面倒になっちゃうんだよね。 よし、悩むの止めた! 流れに身を任せよう。 今、考えてもこの時の私は冷静な判断が、出来ていなかったと思う。 そのせいで、この先、私に取ってとんでもない人生が始まっちゃうんだけど…。     
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