<第2章> 玉磨かざれば光なし

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 ライスをほお張りながら、綾香は嬉しそうだ。 「そうか?」 「うん。姫松さんと加賀谷君の恋は、この日が始まりだった。なんてね」  綾香の脳内では、すでに翔と姫松麗の恋が、うまくいってるのだろう。どこまでもポジティブなヤツだ。 『いつか勝手にうまくいく』という妄想は得意なはずだが、今日の綾香との作戦会議で、そこまで楽天的には考えられない。  明日から作戦行動が始まる。綾香との関係は内緒という程ではないにしろ、急に親しく話すのも他のクラスメイトに違和感を持たせる。 教室内ではお互いにできるだけさり気なく接しようと取り決めをして、解散となった。
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