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旧友は偽名を名乗った。なぜだ。
「よかったら、途中まで送るよ」
「えー、あなたが危ない人って可能性は~?」
冗談めかして言うと突然歩みを止めたので、思わず釣られて立ち止まる。
「アンタも同じか」
その手には、包丁が握られていた。と理解するよりも先に、旧友は勢いよく突っ込んでくる。
すんでのところで避けられなかった俺の腹部に、鋭い痛みが走る。異常を察知した友人達が、再度刃物を振り下ろす前にバタバタと取り押さえたようだった。
血が溢れる分だけ、意識が遠のく。
何で、なんでこうなったんだろう――。
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