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俺「父さん?父さんってまさか……」
父の方を見ると、そこに父はもういなかった。幽霊かとも思ったけど二階に父が帰った可能性もあるので、ナスのあれを取ってきて、俺はそれを、置いたあと仏間を出た。
(父さん、また上で飲み直してるかな。酔って二日酔いにならなきゃいいけど。)
階段を上がり、扉を開けると母がソファで朝ドラの録画を見ていた。
母「あんた、なんで今さら線香なんてあげてんの?」
俺「今さらって。別にいいだろ。最後にもう一度…みたいな。そんなかんじだよ」
母「ふーん。まぁ、いいんじゃない。父さん、もう寝ちゃったから早めにあんたも寝なさいよ」
父「あ、うん。」
後から聞いた話で、父とひぃおじいちゃんはかなり顔が似ているらしい。写真を見たが古い写真のせいか似てるようには思わなかったけど、あの優しい笑顔はいつもの大きく笑う父とは違う印象があった。
『父さん』という単語に戸惑ったのは俺がひぃおじいちゃんだとわかっていると思ったからだろう。
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