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―――どっかにいって!オニヒトデ――――
二人っきりですが、幸せそうな生活が続いていたある日のことです。
何やら体中棘だらけの不気味な変わった生き物が、隕石の落下した跡の残る、荒れ果てた海底にポツンと現れ忍び寄ってきます。
体中とげだらけのその怪しげな生き物の正体はなんと、あのサンゴの天敵のオニヒトデです。
不器用そうな十数本の太い脚の裏側からは、無数の小さくて柔らかいゴムの様に伸びた触手を巧みに使い、何も無い荒れ果てた海底を、這うように進んでいます。
ゆっくりと、けっして早くはありませんが、確かな足取りで、じりじりと確実に、サンゴの生えた隕石に近づいています。
この付近に餌となるサンゴは、他には生えていません。
狙いは、どうやらあのちっこいモモイロサンゴのようです。
よくもまあ、あんな小さなサンゴを、はなれた場所からみつけられたものです。
目が何処のあるのか分からない体でどうやって気がついたんでしょうか。
よほどあのちっこいモモイロサンゴに興味があるみたいです。
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