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―――ちょっぴり変わり者?半人前な子どものウツボ――――
「やれやれ、やっと静かになったかい」
「まったく、気持ちよく寝ていたところを邪魔しやがって」
「頭のうえで、ガンガンうるさいし、危うくもう少しで潰されるところだったぜ」
オニヒトデの騒ぎも治まって、静けさを、取り戻すのかと思ったら、また、なにやらうるさそうな変わったのが一匹、とっても迷惑そうに、一方的に文句を言っています。
「この石の裏にあった隙間は、ちょうどオレ様の住み家にもってこいだったんだぜ、まったく!」
「これ以上、居心地のいい穴ぐらは、滅多に見つかりそうにないし」
「どれどれ、ちゃんと、もとどうりになっているかなっ」
そう言って、隕石の下部分を覗き込みます。
ちょっと狭っ苦しそうですが、元の巣穴らしき隕石の裏の隙間に「ニョロニョロ」っと、細長い体を滑り込むようにして戻っていったのは、その威勢の良さとは裏腹に、まだまだ小さくて幼い、半人前の子どもウツボでした。
一通り、住み家である隕石の隙間に体が収まるのを確認すると、一度外に出て、今度はUターンせず、ウネウネと、シッポの方から隙間に入って行きました。
今度もまた、居心地がよかったらしく、ウツボは上機嫌な様子で、巣穴にした隕石の裏の隙間から、鼻先だけをチョコンと出して隠れています。
どうやらまた、ここに住み着くみたいです。
少し前までは、隕石さんと、ちっこいモモイロサンゴの二人だけの静かな生活でしたが、なにやら風変わりなちょっとうるさい仲間?が一匹増えたみたいです。
なんだか、これからにぎやかで、ちょっと、楽しくなりそうですね。
隕石とモモイロサンゴ (初めて出来た小さな仲間)編 完
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