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『えへへ、えらい』
緩む頬を押さえて悶えていると、団長様の私を抱く力がちょっと強くなった。ふぉぉ、筋肉よ再び。
『ところで、つかぬ事を聞くが……どうやって向こうに戻れば良いのだ?』
『……どうしよう』
まさか婚約者を守るための転移魔法陣が、異世界まで繋がるとは思ってなかったらしい騎士団長様。
きっと向こうの魔法使いもびっくりしているだろうと、メクデナルデの三段ハンバーガーをふた口で食べきった団長様は同じものを三回お代わりして満足してらっしゃった。
夢中で食べたせいかケチャップが無精髭についてるのを拭いてあげると、目尻を赤くするのが可愛らしすぎた。いかつい騎士団長様が照れるとか反則だと思う。いいぞ。もっとやれ。
その後、騎士団長様は急きょ取り寄せた『モフモフわんころ餅、着ぐるみパジャマ男性用フリーサイズ』を限界まで伸ばし、ピチピチ全身タイツ状態で我が家のトイレに入って元の場所に戻ることができた。
だけど、心配して執務室に待機していた美形副団長様がそれをまんまと目撃してしまう。そこから彼の腹筋が崩壊寸前まで爆笑するという二次災害が発生し、この一件は悲劇的な結末を迎えたことをここに記しておく。
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