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「上持先輩、おめでとうございます!憧れの商社内定もらったんですよね」
現在4回生の上持晃先輩は
競争倍率10倍以上の大手商社の内定をもらったことで部内でも、先輩のことで話題が持ちきりだった。
二重まぶたで大きな瞳とすらっと伸びた鼻筋の甘いルックス、
そして180センチ近くある身長で
周りの女子からも憧れだった先輩は、なぜか私のことを気にかけてくれて話しかけてくれるのだった。
そのことについては私なりに色々考えて見たけれど
やっぱりどじで間抜けだからかなぁなんて思ったりしていた。
「いや、そんな大したことはないよ。でも飯橋に言われるとまんざらでもないかな」
先輩がにこやかに微笑む。
きっとこういう笑顔に女子はやられて、キャーッと声をあげられるかもしれないなと思った。
でも私はやっぱり健治の笑顔がいいと思ってしまう辺り、
かなり重症だということがわかった。
「・・ところでさ、飯橋は次の日曜とか空いてる?」
「え、空いてますけど どうされたんですか?」
「いやこないだ、確か原稿の読み方わからない部分があるって言ってたでしょ?
就活も終わったから、日曜だったらゆっくり見れるかな・・と思って」
「あ、ありがとうございます!でも先輩卒論も忙しいんでしょ?だったら無理しなくて大丈夫ですよ?」
先輩と私の身長差で自然と先輩の顔を見上げる形となってしまう。
「いや、大丈夫だよ。ある程度卒論も目処が立ってるから。じゃあ予定ないなら日曜日の10時に放送室で大丈夫かな?」と言われ
「わかりました」と答えた。
先輩って、後輩に優しいんだな
その時は私はそのくらいにしか先輩のことを考えていなかった。
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