隣の…

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89……… 右京と私は 暫く見つめあっていた… 千聖さんが… 「店の中に入れば? 客も居ないし、俺も席を外すから。 外涼しくなって来たから…」 そう言われて 右京に腕を掴まれたまま 私たちは お店に戻った… 千聖さんは 気を利かせて 右京と私だけにしてくれたけど シーンと静まり返った 店内で 向かい合わせに座る右京と私 私は…話すのを躊躇った 「兄貴と…」 右京が何を言おうとしてるか わかってしまう… 「待って…。右京… あの日…2人だけになった 左京兄の部屋で 左京兄に抱かれたの…」 右京の顔が怖くて見れない… 最低な女と思われてる… 「やっぱり…そうだったんだ。 兄貴もあの日…変だったから。」 「左京兄のこと 嫌いにならないで… 全部、私が悪いの! 一度だけと言われて 断れなかった私が… うっ…ごめんなさい… 右京…」 ガタッ 立ち上がって ギュッと私を抱き締めた 「ごめん…和葉。 辛い思いさせて… 話してくれて、ありがとう。 やはりあの日… 俺が学校休めば良かったんだ… そしたら…和葉に…うっ…うっ…」 右京は悪くないよ… 暫く私たちは泣き続けた… ………
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