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大多喜町の山林
結城は吊り橋で封筒に入った資料を出し
『木田はこの吊り橋から転落したとなってる。』
中瀬は
『あれ?吊り橋の転落防止のところに傷が………』
結城もその場所を確認し
『ベルトのバックルの部分とこすれたんだろ。下に行こうか………』
二人は吊り橋の下に下りた。
『この辺りに木田が落ちて来た場所だけど………』
中瀬は
『何か問題でもあるの?』
結城は吊り橋を見上げながら
『やっぱりこれは他殺だな。』
中瀬は
『さっきの転落防止の部分に傷が付いてた他に何かあるの?』
結城は
『木田はここに倒れていた。ここは吊り橋の真下なんだ。』
中瀬は
『確かに吊り橋の真下だよね。でもそれだけでなぜ他殺だと………』
結城は
『もし自殺ならもっと吊り橋から離れた場所に落ちなきゃいけないんだよ。』
中瀬は
『どう言う事なの?』
結城は
『自殺の場合は落ちる瞬間に、足でジャンプする形になるんだよ。だから真下には落ちないんだ。他殺の場合は、誰かに落とされるからジャンプする事ないじゃん。』
中瀬は
『なるほど………』
結城は
『木田も他殺と断定。木田の部屋を荒らしたのも多分犯人だろな。』
中瀬は
『名簿を持って行った可能性があるってやつね………』
結城は
『さて、次はジュエリーショップ巡りをしようか。』
中瀬は
『りょーかーい。』
二人は駐車場までもどり車に乗り込んだ。
中瀬は結城に
『どこから攻める?』
結城は
『う~ん、鴨川市、館山市、木更津市を先に行こうか。茂原市を一番最後で………』
中瀬は
『結城君の運試しはいかに。』
結城は
『中瀬さん、なんか楽しんでないか………』
中瀬は笑って
『楽しんでますよ~。これを楽しまないで何を楽しむの?』
結城も笑って
『必ず一発で決めてやる。』
中瀬は
『おー、頑張れー。』
結城は中瀬を見て
『絶対に無理だと思ってるだろうな………』
中瀬は
『罰ゲームが楽しみで。』
結城は笑って
『四分の一だから罰ゲームの可能性は低いぜ。』
中瀬は
『それが結城君なのよ。』
結城は
『で、罰ゲームは何?』
中瀬は喜んで
『もちろん結城君の熱い熱いキス………』
結城は
『すげー、プレッシャー………』
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