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鴨川市内のジュエリーショップ
結城と中瀬はジュエリーショップの中に入り
『この浜千鳥のネックレスなんですが、ここでの扱いはありますか?』
結城は女性店員に聞くと
『こちらに座って少々お待ち下さい。今、確認して来ます。』
結城と中瀬はイスに座り、目の前に高価なネックレス、指輪、イヤリングがガラスケースの中に飾ってあった。
中瀬は目を輝かせガラスケースの中を覗き
『凄いな~。憧れちゃうよ~、良いな~。』
結城もガラスケースの中を覗き値段を見て呆れた表情で
『しかし値段が凄いよな。こんな石ころが、こんなに高価だとは………』
中瀬は結城の言葉に
『石ころって言うんかい………』
結城は中瀬を見て
『俺から見たら石ころとしか見えないし………』
中瀬は結城の言葉に呆れた表情で溜め息を吐き
『真田さん、可哀想………』
結城は野間口が自分に言っていた事を思い出し
『中瀬さんも同じ事言うか。最近、野間口にも同じ事言われたな………』
中瀬は結城を見て
『あれだけ結城君を支えてるんだから、真田さんに買うべきだよ。』
結城は中瀬の言葉に
『みんな同じ事言うんだな。』
中瀬は即席女子会の出来事を思い出して
『この前の即席女子会でね、ジュエリーの話題になってね、真田さん、ジュエリーは一度も買ってもらってないって言ってたよ。でもねジュエリーより結城君とね、ずっと長く一緒に居られればそれで良いって言ってたよ。』
結城はガラスケースの中のジュエリーを見て一瞬間を置き
『中瀬さん、敬子には指輪が良いのかな?』
中瀬はにっこり笑って
『指輪は指のサイズが年々変わっちゃうし、結婚する時に結婚指輪を買う事になるだろうから、指輪よりネックレスが良いと思うよ。』
結城はガラスケースの中を眺めながら
『しかし良い値段だな………』
中瀬は結城の言葉に対して
『結城君、あのね値段じゃないの………気持ちなの、気持ちが入っていれば値段なんて関係ないの。』
結城は溜め息を吐き
『気持ちか~………』
中瀬は結城を見ながら
『値段より気持ち。気持ちが入っていれば、プレゼントしてもらったジュエリーが自分の中ではどんなジュエリーより一番高価なの。気持ちだよ、気持ち。結城君、疎すぎるよ。』
結城はガラスケースの中を見ながら
『そうだよな、敬子にプレゼントしなきゃな………』
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