浜千鳥のペンダント

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女性店員が二人の前に戻って来て 『申し訳ありませんが、当店では扱ってませんでした。』 結城は女性の店員に会釈して 『そうですか、わかりました。』 女性店員はにっこり笑って 『ただこの浜千鳥のネックレスは多分特注品だと思われます。』 結城は手帳に女性店員の話しをメモしながら 『特注品ですか?』 女性店員は 『私共は出来る限りどのジュエリーが出回ってるか必ず確認をしています。ですが、この浜千鳥のネックレスは見た事ありませんね。確認の為に今パソコンで確認しましたが、やはりありませんでした。』 結城は女性店員の言葉を書き終え 『そうですか、ありがとうございます。ただ、特注品を扱ってるお店ってありますか?』 女性店員は 『南房総周辺なら限られてしまいます。ここも特注品は取り扱ってますが、他には館山市に一件、木更津市に一件、茂原市に一件ですね。千葉市より上なら何件もありますよ。』 結城は鞄に手帳とシャープペンを仕舞い 『わかりました。ご丁寧にありがとうございました。』 結城と中瀬はお礼を言うと店を出た。 二人は車に乗ると中瀬は 『店員さんが教えてくれたお店、私の調べた場所でビンゴだったね。』 結城は車のエンジンを掛けて 『流石、中瀬さんだよ。よし、次はこのまま館山市のジュエリーショップに行こうか。』 中瀬は笑顔で 『りょーかーい。館山市のジュエリーショップにレッツゴー。』 結城は館山市に向けて車を走らせ 『なんか中瀬さん何気に喜んでる?』 顔を綻ばせてる中瀬は 『あと二つで罰ゲームだもん、喜んじゃうよ~。』 結城は中瀬の言葉に 『あと二つじゃなく、まだ二つって言ってくれる?………まだ二つ残ってるから』 中瀬はにっこり笑って 『あと二つでもまだ二つでも、罰ゲームは罰ゲームだからどっちでも良いよ。』 結城は中瀬の言葉を聞いて半分悔しそうに 『この女………マジで楽しんでやがる………』 中瀬は笑いが止まらず 『結城君、ごめんね~。私顔に出ちゃうみたいで。』 結城は 『何とか次辺りでビンゴにならないと………』 中瀬は笑って 『そんな事言わずに茂原市まで行こうね~。』 結城は溜め息を吐き 『茂原市までは行きたくね~………』
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