鴨川広場の夜は更けて3

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結城はまた立とうとし 『松葉杖があれば。だから入院なんかしてられない………』 今度は敬子が結城を座らせ 『純君、落ち着いてっ!!落ち着いて座ってっ!!』 結城は 『敬子………』 敬子は結城を見て 『何慌ててるのよ。私は大丈夫だから、何かあれば中瀬さんも居るから大丈夫よ。』 結城は 『本当に大丈夫?』 敬子は中瀬に 『ねっ中瀬さん、何かあったら助けてね。』 中瀬は笑顔で 『もちろん良いよ。何かあれば私が居るから大丈夫。』 敬子は 『本当に純君は心配性なんだから。』 結城は 『ごめん………居ても立ってもいられなくて………』 敬子は笑顔で 『でも私は純君の心配性は好きだけどね。』 小百合も結城に 『何かあれば私もお敬のところに駆けつけるから大丈夫だよ。』 佳奈枝も 『私もこっちに居る時はいつでも行くからね。』 結城は 『みんなありがとう………』 敬子は結城に 『今、純君は怪我を治す事だけを考えてね。』 結城は 『うん、わかった。退院したら仕事頑張らないとな………』 小百合は 『仕事もそうだけど、家庭も大事にしなきゃね。』 結城は小百合に 『そうだよね、そうだよね。家庭的なパパになりたい。』 佳奈枝は笑って 『結城君がパパって何か似合わないな。』 小百合も笑って 『私もそれ思った。』 中瀬も 『パパってイメージじゃないんだよな~。』 結城は 『ん?それ、どういう事?』 敬子は笑って 『パパよりもお父さん………お父さんじゃないな親父って感じかな。親父は親父でも頑固親父かな………』 結城も笑って 『敬子まで言うのか。俺も似合わないのはわかってるけど。でも頑固ではないぞ。』 敬子は 『純君が頑固じゃなかったら何?大頑固者?』 結城は 『敬子だって頑固じゃん。頑固は頑固でも大頑固だ。』 佳奈枝は 『あれ?始まっちゃったよ………』 小百合は笑って 『もちろん暫く見てよう。』 中瀬も笑って 『もちろん賛成。』 敬子は 『私が大頑固者なら純君はもっともっと頑固者だよ。』 結城は 『大頑固者はどっちだ。本当にわからずやだよね。』
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