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弟の悪態が物音と同時に途切れた。
見れば、彼の正面に同年代の女子が立っている。その可愛らしい顔が弟を注視するなり、笑顔になった。
「あ、久し振りだね。誰か分かる? 小学校のとき同じクラスだった」
彼女は弟に向かって気さくに話す。一方の弟は顔が真っ赤になっていた。
ほら、上を向いていた方が良いじゃないか。僕はまた空を見上げてみる。
しかし、自分に春はまだまだ来ないようだ……。
おわり
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