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居間にある大きなちゃぶ台にはコンビニで買ったおにぎり二つと、サラダ、お湯を入れたカップ麺がのっている。それぞれ座布団をしたに、龍明は胡坐をかき、夢香は正座をして食卓を囲んでいた。
三分経ったのち、いただきますと手を合わせた夢香は麺をすすり始めた。部屋には、ずるずるという音だけが響いている。
頃合いを見て、龍明が切り出した。
「で、由浅さん。なんか、未成年じゃないから問題ないよね、みたいな空気になったけどさ。多分、それで済ませたら駄目だと思うんだ。どう思う」
「私もそう思います。あ、おじさん、サラダ半分もらっていいですか?」
「どうぞ」
龍明はサラダを差し出した。彼女はカップ麺とサラダを交互に食べ始めた。
「話の続きなんだけど。今日はもう遅いし、とりあえずは泊まっていいよ。でも明日にはちゃんと帰ってね」
「おじさん、ごめん。サラダ全部食べちゃった」
「いいよ別に……」
夢香が話を理解しているのかいないのか、よく分からなかった。
龍明はおにぎりを一つ手に取り、ビニールを取って食べ始めた。夢香の方をちらりと見ると、自分の分はすでに食べ終わっているようで、残ったもう一つのおにぎりに視線を注いでいた。
「これも食べる?」
「食べます!」
龍明は、もう少し晩御飯買っておけば良かったなあと思い、もう一つのおにぎりを献上した。
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