プロローグ

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ふむと頷いたスザンヌはにこにこと微笑まし表情を浮かべる。  王女という肩書きをとればまだ九歳の少女であることを改めて実感する。  成長したら苦労するだろうなと過保護見たいな視線で見据えているとスザンヌがある提案を持ち掛けてきた。 「だ……アルフはまたこの後に危険な任務にいくでしょ、なら後日にゆっくりお茶を飲みながら教えてもらったほうがいいかなと思ったんだけど」  そうなんだよな。  このあと不穏な予兆が見られる組織に潜入し、危険であれが潰せという単独の依頼が上から命令された。  そもそも俺は詳しい情報を聞かされておらず、ほとんど副団長に任せきりなので誰が命令したかなど検討も使ない始末である。  団長になってから一年が次去った今でも周囲の環境は変わらず、運だけで成り上がった上部だけの団長として認識されている。  それとさっきのは剣術ではない。魔剣に封印されている魔獣のほんの一部を取り出した力であり、説明すると軽く本一冊が書けてしまうぐらいまで複雑である。  中途半端な理解で魔剣を使うのは逆に危険だ。  魔剣は人を選ぶ。  選ばれなった者はその身に膨大な力を素で受ける。  念のため、国王に適正度合いを調べてもらったり、魔剣を扱う前に力の受け流し作法を教えっているが、まだ九歳の少女に使わせるのはちょっと抵抗があった。 「そうだな、今から教えるとなると時間がかかるし、包帯を巻いた状態で訓練をさせたらマジで給料が怪しくなるしな。それと、スザンヌは今週が誕生日だったろ、少しばかり早いが受け取ってくれ」  懐から取り出したのは六角柱に整えられた小麦色の宝石の首飾りでスザンヌの金髪に共鳴すかのように輝きが増していく。  宝石の光は眩しいと言うほど強くはないが、見る者を和ますような暖かさを感じさせてくれる優しい光。  護衛の一貫で一年間訓練など付き合って過ごした仲だし、俺個人として彼女を尊敬しているので誕生日プレゼントを用意した訳である。  単に給料を上げたいという私欲のために用意したわけではないことでご理解して貰えると有りがたい。 「まさか、魔石なの。しかも私の魔力と適合する石を見つけると成るとどれだけ大変かわかっているの」 「いやー、マジで大変だったわ」  
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