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魔力と呼ばれる認識不可能の存在を人間が直接干渉することは困難だと言われている。
簡単に例えると見えない椅子を証明しろといっていることと同等なので単純に不可能であるのがわかるだろう。
なら見えない筈の魔力がなぜわかったのかと疑問を抱くかもしれないが答えは単純に魔力が固体になったからだ。
魔力が固体になるのは希に起きる現象であり、魔力が固まった物だと例えたのが魔石の始まりとされている。
魔石には多様な色があり、その色ごとに耐性が違う。紅の魔石は火に強く、蒼の魔石は氷に強く、碧の魔石は風に強く、黄と紫の魔石はそれぞれ光と影に強いとされている。
特に最後の魔石はほかの魔石よりも個数が少なく、さらにたった一人に適合する魔石となると見つけるのは至難になる。
生きている者は必ず魔力を備えており、それと適合した魔石があるのかどうかは運命次第とされていた。
「結構時間朽ち待ったな、もう行くわ」
「ちょっとまって、まだ話したいことがあるんだけど」
さっきまで嬉しそうに微笑んでいた顔は、今では迷子になった子犬のように元気を無くしショボくれている。
自分が悪いことをしてしまったのではないか、と罪悪感に呑まれそうになる。
「それなり、早く終わらせるから覚悟しておけよ」
「うん、約束だからね」
どれだけ分かりやすい王女様だと思いながら、団長=アルフ・シーカーは王城の庭を後にした。
空には、王女様のような華やかな太陽が照らしている。
俺はやりたくない自分を鼓舞かのように、王都の門を潜った。
今も、太陽は未来を導くように輝き続ける。
「あぁ、今日は本当にいい天気だな」
俺は頭上にある太陽を眺め、一言口にする。
その日は、今年春一番の良好な天候であった。
だが、その日は一人の命日へと変わる。
そして、誰もが知ることになるだろう。
第十三代団長=アルフ・シーカーは依頼執行中に敵が開発したと思しき大規模な爆弾に巻き込まれたと推定、跡地に残った魔剣の破片から生存している可能は限りなく低い予測される。
その証拠か死んだ推定する。
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