第1章 七年後の街

3/3
前へ
/8ページ
次へ
 顔も知らない人と結婚するのは嫌であるが、別に後悔はしていない。  アルフの形見を誰かに使われるよりは、自分のそばで置いときたかったし、お父さんことだから変なことに使う可能性が有り得たので、これで良かったと思っている。 「よし、今日はいつも倍やるぞ」  スザンヌはモヤモヤした気持ちを追い払うかのように、拳に力を込める。 無力なまま大切な誰かを失うのはもう懲り懲りだ。 せめて大切な人を守れるだけの力を得るために、スザンヌは朝練に勤しむのだった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加