正解する本

　二者択一、のるかそるか、一か八か。人生は分岐の連続だ。
　そして俺という男は不運にも、ここぞというところでいつもなぜか選択を誤って生きてきた。
　ケチのつきはじめは高校受験。迷いに迷って直した答案、結局最初の答えが正解で、見事第一志望に落ちた俺が進学したのはよりによっての男子校。まさか進学する羽目になるなんて思ってなかったから家から近いしそこそこ偏差値高いし、なんて理由で受験したあの日の俺をぶん殴りたい。
　同じ轍を踏むのだけは避けようと、大学はちゃんと共学校に入った。だがここでも俺はうっかり選択を間違えた。女っ気無しの大学生活なんてまっぴら御免と選んだサークルはサッカー愛好会、サッカーなんて言ってるけど実際にはテレビで日本代表を応援するだけのただの飲みサーだ。高校時代はサッカー部でだいぶしごかれた俺だけど大学でまでスポーツ推薦の奴らに混じってプレーする気なんてないもんね、と笑っていたら高校時代の同級生の松島はサッカー部に入ってめちゃくちゃかわいいマネージャーとつきあい始めたとこの前きいた。高校時代、俺、松島よりはるかにサッカーうまかったのに。