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「一方的で勝手なことを申し上げているのは重々承知の上です」 でも、どうか。 「昂平君が私と一緒にいたいと言ってくれている間は、共にいることを許していただけますでしょうか」 永瀬はそこで、椅子から立ち上がり、ダイニングの床に膝をついた。 「な、永瀬、あんた何を……」 驚く昂平の横で、そのまま土下座をしたのだ。 「いい大人が、大事な息子さんを誑かすような真似をして、本当に申し訳ありません」 「顔を上げて、どうぞ座って下さい」 父は、困ったようにそう言った。 「貴方のお気持ちは十分にわかりましたから」 昂平が手を貸して、永瀬を立たせる。 「何やってんだよ、あんた…」 小さく呟く。 胸がとてつもなく痛んだ。 そのひとの気持ちが、怖いぐらい昂平を真剣に想ってくれている気持ちが、ぎゅうぎゅうと締め付けるから。 「昂平は、どうなんだ」 不意に父にそう聞かれ、彼は狼狽えた。 こんなに想ってくれている気持ちに、自分は応えることができるのか。
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