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光覆
山中にある薄暗い道だった。それは一方通行の細道で車が通るにはそれは狭すぎる。
不相応だった。
木々が風で揺れ、葉上に溜まった大粒の雫がガラスに当たり大きな音を立てる。それが私を今日も捲し立てる。
遠くの雲に青空が垣間見えていた。道はその方向には進んでいない。光が差す方には進めない。道は定まっている。定まってしまっていた。引き返しなどはもうできなく、不可逆だ。
見通しの効かない薄暗い道の中で、辿り着けるかも分からない光に向かう。見上げた空の光は今日も雲に覆われていた。
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