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残念そうに菜月は答えた。
申し訳なさそうに「それは失礼しました」と女性は謝ってきた。
「いいんです、父も人に見てもらえると喜びますから」
にっこりと菜月は微笑んだ。
「坂本菜月って言います。どこかで私の写真を見つけたら思い出してください」
その名刺には『プロフォトグラファー』と肩書きされている。
「内山法子と言います。是非撮れた写真を見せていただきたいです。写真家の方とお知り合いになれるなんて嬉しいです」
「とんでもない。もしオコジョが撮れたらメールで送りますね」
別れの挨拶をすると、菜月は登山準備をして目指す槍ヶ岳へと足を進めた。
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