東郷湖

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魔物は恋をした。 非力な人間どもよ。その非力さゆえに私は儚く大切に思ってしまうのだ。 折れそうな腕、そんな腕で自分自身を抱きしめ、泣いている。 何があったのだろう。 私が彼女を抱きしめることができたらどんなにいいか。 彼女は、小さな動物が好きだ。 いつだったか、カモの雛が産まれてこの湖をお母さんの後をついて散歩をしていた時があった。ぷかぷか浮く小ガモを見るあの可愛い眼差しに恋をした。
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