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昼か夜かも分からない暗い部屋。
残された光はスマホ、タブレット等の電子の光。
分かってた。
もう、会えない事自体。
でも会いたかった。
少し光るパソコンと手に確かに握っているスマホを1枚の描写として。
生活に色のない自分の人生の描写として残した。
あぁ。闇だ。
結局闇だ。
けど、不思議だ。
闇をわけて、わけて、わけて、わけて行けば、何か、
カラフルな、楽しそうな楽しそうな世界に行ける気がした。
だから、わけた、わけた、わけた、わけた。
そしたら…
!?
「い"やだッ!!!!」
全身に滴る汗、ガバッと起きた。
「もう嫌だ。なんなんだよ…、なんでそんな目で見るんだよ…俺は、そんな奴じゃない。俺はそんなに落ちぶれていない…嫌だ…いやだ…いやだ…いやだいやだいやだいやだッ!!!!」
布団の上でもがいた。
いつもは優しく包む黒い、深い闇が、棘になる。
嫌いな記憶に刺さって呼吸をさせなくなる。
これが怖さ。
俺はいつも、これで壊れる。
崩れる。
ただ、あいつはこの暗い部屋を開けて助けてくれる。
「大丈夫?僕がついてる。しっかり息をして。僕はここだよ。」
そっと抱きしめる。心地よい。とても。
彼はいつもそうだ。何かに怯えてずっと何かを抱える。
それを僕は彼の外側から優しく抱きしめる。
そう。彼は。僕の。××。
けど。
まだ、まだ。
彼は。
彼は。
俺は。
俺は。
「逃げられない。」
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