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結局階段上りきるゴールに1位健斗2位隆明3位オレという、まぁいつも通りな結果に終わった。
もう少し走る速度上げなきゃな。
「うわ~、すげぇ」
「まじで秘密基地だな」
上り切った先にあった目の前に広がるのは、小さな公園、と言えば単調すぎるくらいの場所だ。
ある程度のどかではあるこの辺りの土地柄ではあるが、それにしても通学路の途中にしては緑が多い。
背の高い樹やオレ達が何人で両腕広げば囲むことが出来るかというような幹の太い大きな樹が、小さな公園を囲むように左右に生い茂っている。
「だろ?ここだと自由けんきゅーに使える虫もいっぱいつかまえれそうだしさ、かくれんぼにもバッチリじゃね?」
「なんかいつも遊んでる公園にないの色々ありそう。あの変な顔のすべり台さ、上はすべり台だけど口ん中トンネルみたいだし。ジャングルみたいなうんてい棒あるじゃん」
「だな~!ナイス穴場見つけてて最高じゃ~ん!」
前後左右見渡すと見覚えない目新しい遊具や普段遊ぶ場所とは違う雰囲気、生い茂る木々の作る影による初夏にしては涼しい空気。
自分の目が輝き、ワクワクと気分が高揚していくのが分かる。
何かこれから、普段起こらない新しいものに触れ合える気がしていた。
まず一番に目に入った大きい口を開けたすべり台に近寄る。
下から見上げると、まだ背の小さいオレ達3人には怪獣のように大きく感じてぽかんと口が開いてしまう。
「でっけー」
「公園はそんなめっちゃでかいわけじゃないのにな~。ここのボスみてぇだな」
「はじめっからラスボスにいどむのかオレら…やばいな」
「「「すんげぇ」」」
3人声揃えて出た言葉をきっかけにそろそろと、自らその怪獣の口の中に足を進めていった。
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