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ラスボス怪獣の口から出て、小さな開き窓があった方に向かって歩く。
外に出てみると、大きな音が鳴るほどの強い風は吹いていない。
むしろ、初夏の時期に相応しく少し暑く感じる程ほとんど風は吹いていなかった。
窓から見えた先を辿って小さな斜めの階段を上り、土の上にある四角いコンクリートのブロックで整えられた路を踏んでいく。
「あ、ここだ。さっきの子がいたの」
辿り着いた先には、窓から見えた同じ太い樹があった。間違いない。
「へぇ~、ここにいたの?」
「変わってんね、なんだこれ。ちっさい神社?」
小さな坂のような路の先には、大きな石で囲まれた中に小さい神社のような、後から分かったことだが“境内社”と呼ぶ社があった。
「初めて見たな…。これ、一応おじぎした方がいいのかな」
「わっかんね~けど、拝んどく?」
「今日から秘密基地で使わせてもらうしな!よろしくしとこうぜ!」
3人頷き、横一列に並ぶ。
すぅ、と息を吸い、せーの、と掛け声後、パンパンと2回掌を合わせた。
「これから、秘密基地にします!」
「いっぱい遊びにきま~す!」
「最高の“たんけん”場所です!」
「「「よろしくお願いします!」」」
揃ってペコリ、頭を下げた。
その時だった―
「ねぇ、きみ達。だぁれ?」
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