サンタとトナカイ

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 僕もそんなお爺さんは大好きだった。  お爺さんは僕に魔法をかける前に、いつも雪を降らせる。  僕たちの正体がばれないように……  僕たちは煙突から忍び込む。  子供たちを起こさないように、大人たちに気づかれないように。  煙突は、叔父さんがかける魔法。  その魔法があれば、どんな家にだって忍び込むことができる。 「残念なのはプレゼントに喜ぶ人達の顔が見れないこと」  だど、お爺さんはいつも言っている 「喜ぶ顔は見る事ができなくても、喜ぶ顔を想像する事はできる」  でも、お爺さんは少し寂しそう。  僕はきっと幸せだったんだと思う。  クリスマスには、こうやってプレゼントを運んで喜ぶ顔を想像して、煙突以外からも空からそっとプレゼントする事ができる。 【メリークリスマス】  しあわせの魔法を……  物だけがしあわせなものではない……  お金だけがしあわせになる理由ではない……  僕はそれをお爺さんから教えてもらった。  僕はそれをお爺さんから学んだ……  ずっと続くと思っていた幸せ……  だけど、しあわせって続かないから【しあわせ】って言うんだろう……  でも、ある日。  お爺さんは病気になった。  ずっと寝たきりになった……  一年、二年、三年……     
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