撤回

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「そ。とってもイイ男。よくわかったね」 どこかおどけた、小悪魔っぽい物言い。 そんな所も好きだったのに。風になびいたショートカットから覗いた耳には金色のピアス。それも彼氏の趣味だろうか。 ヤケになったように言葉を放ってみる。 「わかるよ。東モテそうだし」 「かもね」 「好きな事に一途で、実力もあって。元々可愛いのに更に可愛くなって」 「どーもね」 得意げなご様子だ。いよいよヤケクソで続ける。 「イイ男とやらにも見初められて。どんな奴?」 「…榊」 知ってどうするんだと思いつつ聞けば、思いもよらない名前が聞こえた。 「へ、?」 榊。僕の名字だ。
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