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そして、そんな攻略不可能な彼が、告白しているのは・・・。
周りをキョロキョロ見渡す。誰もいない。それもそうだ、今はもう放課後でほとんどの生徒は部活にいったり帰宅したりとそれぞれの場所へと向かった頃。
そして、さっき彼はなんと言っただろうか。洸くん、と言ったような。
僕の名前は、根倉洸。根倉じゃなくて根暗だって言われるくらい、暗くて目立たない存在。眞白君と比べたら、光と影、月とすっぽん、それから・・・とにかく、それくらいの差がある存在だ。
それなのに、今、彼は洸くんが好きだと言っただろうか。もしや、僕以外にも”こう”という名前の女の子でもいるのだろうか。
この場にいないのに、それは無理がある。
「え、と、あの・・・聞き間違いかな? 今なんて」
「洸くんが、好き」
聞き間違いじゃなかった。はっきり二度目を言われてしまった。認めざるを得ない。いや、認めるって、何を。眞白くんが僕を好きって?
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