12人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話
その活躍を見れば見るほど、辛くなってくる。
周りにどんどん抜かされていく。
そんな自分に耐えられへんーーーー
今日は8月26日。
俺の20歳の誕生日。
ピロン
誰かから連絡が来た。
......寿々歌や。
お祝いメッセージとか、そんなんなんやろうな。
でも今は、あんまり見たくない。
今やと、寿々歌に頼ってしまう気がする。
これまで頼ってばっかやったから、今になってまで迷惑かけたくない。
そうして色々考え事をしているうちに、俺はいつの間にか眠りについていた。
「...ょーき!りょーき!!そろそろ起きたら~?」
「......ん?」
「崚行が寝てるなんて珍しいな?」
「......へ?」
ーーーーなんで寿々歌がここにおるんや...?
俺、確かさっきまで自分の部屋にいたはず。
やのになんで目の前に寿々歌が...?
「......寿々歌?」
「なに?」
「なんで、ここにおるん...?」
「...はぁ?もう、寝ぼけすぎ~!」
「え...あ......」
よく見たら、寿々歌の服装......
これ、天てれの時の衣装や。たぶん2012年の時のやと思う。
そしてここは......
思い出した。楽屋や、NHKの。
うわ、懐かしいなーーーー
じゃなかった!!
なんで俺、こんな所にいるんや......
考えていると、目の前の鏡に映った俺と目が合った。
ーーーー若い。
いや、若いというよりも幼い、か。
そこには、中学生時代の俺の姿が映し出されていた。
俺......タイムスリップしたんか!?
つづく、
最初のコメントを投稿しよう!