星屑の砂

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僕は、祖父ちゃんの話を聞くのが大好きだった。 故郷の星への興味や、知らない世界に触れられるという面白さもあったけど、それ以上に、話をしている時の祖父ちゃんの雰囲気が好きだった。 うまく言葉にできないけど、とても、優しいんだ。 だけど、父さんは、祖父ちゃんが故郷の話をするのも、星屑の砂を大事にするのも、快く思っていないみたいだった。 いつまでも過去にとらわれて、前を向こうとしないって。 祖父ちゃんと、よく喧嘩をしていた。 父さんは言っていた。 「あの砂は、確かに故郷の星でとったものかもしれないが、“成分”で言えばこの星のものと少しも変わらない。何も珍しいことはない、ただの砂だ」って。 祖父ちゃんはそれを、黙って悲しそうに聞いていた。 詳しくは知らないけど、父さんの仕事は“土地開発事業”と言うらしい。 この星でのみんなの新しい生活を、少しでも良くしようと頑張っている。 だから、昔話ばかりする祖父ちゃんが許せないんだって、母さんが言っていた。 父さんと祖父ちゃんは、どんどん仲が悪くなった。 その内、喧嘩すらもしなくなって、一緒にいても、まるで知らない人同士みたいだった。
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