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父さんが教えてくれた。
故郷の星では、遺骨を灰にして特別な場所でまく、“散骨”という風習があるって。
僕たちは、銀色の小さな宇宙船で、故郷の星があったという場所へ行った。
そこで、星屑の砂と一緒に、祖父ちゃんの遺灰を放す。
風の吹かない宇宙で、砂と灰は静かに混ざりながら漂った。
それは、小さな銀河みたいにも見えて、終わらない命の繋がりを感じたような気がした。
僕は今でも、時々空を見上げる。
きっと祖父ちゃんは、どこかで僕らを見守ってくれていると思うんだ。
あの砂とともに、きらめく星となって。
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