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1話:説教?いいえ、口論です
「あなた達!課題をわすれるのは何回目だと思ってるの!?」
理科の先生、由美先生は、クラスメイトの前で私たちに怒鳴った。
周りのクラスメイトは、またかーと呟いていたり、ハラハラしていたりと、情緒不安定だ。
…というのは、心底どうでもいい。
私は、とても気になることを発見してしまった。
それは…
「先生!私たちは何回忘れたんですか!?」
…そう、忘れた回数だ。
だって気にならない?え、気にならない?
…まあ、そんなことはどうでもいい。とにかく、私は忘れたんだよ、由美ちゃん先生。私たちは何回課題を忘れたのかなんて。
さあ、私たちは何回忘れたのか、答えてください!
ほら、私の隣に居る原田という名のクレイジーも気になってますよ!?早く早く!
「口を慎みなさい!神田さん!これで5回目ですよ!」
5回!?速報だよ、原ちゃん!毎回忘れてるって!
私は、逃げた男子2人組に気づかず、1人で寝ていた。
「…こら!何逃げてるんですか!新井さん、片臣さん!」
…あ、あいつら、どさくさに紛れて逃げてるし!
酷い!か弱い私たちを置いて逃げるなんて!
「何私たち置いて逃げるんだ!お前らそれでも男か!だから頭弱いんだよ。神田を置いて逃げる気か!?」
あ、待って、今私のことひ弱扱いしたな。許さんぞ原田め。今度ランキングバトルで何回も倒してやる。
いきなり始めた口論に、先生は入れないでいた。
もちろんクラスメイトもだ。申し訳ないなんて柄でも無いが、申し訳ないと思っている。ごめん皆、今日も授業が遅れそうだ。許してくれ。
「…先生、止めないでください!時計を見てくださいよ!説教なんて受ける暇は無いんです!な?そう思うだろ片臣!?あと原田は何神田だけ守ってるんだよ!俺たちには容赦ないな!」
「煩い。しかも、俺ら寝るけど」
「あっ、片臣が即座に寝る宣言した!寝起きだなこいつ!原田、叱って!」
「うっわー、お前ら最低」
周りが沈黙する中、私たちは口論を繰り返していた。そう、周りが沈黙する中で。
私たちの頭に、強烈な一撃が入った。カサカサしている何か。あ、これ手だわ。先生の手だわ。オワッタな、うん。
「…4人共…廊下に立ってなさい!」
私たちは、教室から閉め出された。いつものパターンだから気にしない。
「「「「…またかよぉぉぉ!」」」」
私たちの悲痛な叫びは、学校中に響いた
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