1話:説教?いいえ、口論です

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片臣は、起きている時間が少ない。 毎日15時間以上寝てる。何でだろ… …まあいっか! 私は片臣に一切目を向けず、ホームルーム中の静かな廊下で落ち込んでいた。 だってさ、新井も原ちゃんも行っちゃったんだよ!?反省文書きに行っちゃったんだよ!?この時間の授業が最後だとわかってたな由美ちゃん!ホームルームの時間も教室から追い出しやがったし…! 私が怒りに(まみ)れながら落ち込んでいると、寝起き状態と思われる片臣が小声で話しかけてきた。 「大丈夫?ぼっちらしいけど」 あ、ごめん、寝起きじゃなかった。さっきのは狸寝入り(たぬきねいり)か? 片臣は、起きていると覚醒する。凄いよねえ、たまにカオスになるけど。 でも、割かし常識人だ。 私は、顔を上げずに、片臣の問いに答えた。 「原ちゃんと新井に置いてかれた…泣きそう」 「全力で泣け。そうすれば…いつか、必ず…!」 ごめん、こいつ異常もだわ。 私は、日に照らされ眩しそうな片臣をガン見した。 うん、今日もキュートボーイだ。顔はな! しばらくガン見を続けていると、片臣は急に顔を赤くし、俯いてしまった。 何だ、なんなんだ。照れたのか?異常なのに?え?こいつ、照れるの?初耳なんだけど。 「…お前なあ…何で、俺の顔ガン見するんだよ…恥ずかしいし寝にくいからやめてお願い…」 「え、ダメだった?え、ごめん。わざとだけどわざとじゃない」 「どっちだよ」 「多分わざと」 「おい」 私たちは、くだらない会話を数分、小声で行った。ああ、照りつける太陽が眩しい…憎みそう。 会話を続けていると、チャイムが鳴った。どこの学校でもおなじみのチャイムが鳴り、辺りはすぐに騒々しくなる。いや、本当にうるさい。うん。 「またねー!」 「今日、何かあったっけ?」 そんな声が、周りから聞こえてきた。その声は、とても明るく、私も入りたいと思ったほどだ。入らないけど。 しばらく待っていると、ゲンナリした表情の原ちゃんと新井が帰ってきた。 何があったのか…それは、私にはわからない。強いて言うなら、凄く怒られたのは確かだ。ごめん原ちゃん。そして身代わりありがとうございます! 「長いんだよ…反省文書く量が…!」 「何枚書いたの?3枚?3枚だよな?」 「5枚…」 「え、キツくない?」 原ちゃん、本当にごめん。
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