1話:説教?いいえ、口論です

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いやー、本当に怖いよねえ。 「じゃあ、数えるよー!」 周りを見渡しながら、原ちゃん達に合図を送る。 2人は、バラバラに逃げていった。原ちゃんが右で、新井が左。十字路の曲がり角に、逃げる影が重なった。 あ、数えるの忘れてた。片臣ごめん。えっと…まあ、2秒くらいでしょ!多分! 「さーん、しーい、ごー…」 そこまで数えたあと 「ろーく…しーち…はーち…きゅーう…じゅう」 片臣が全て数えきり、私たちは同時にスタートした。私が左、片臣が右だ。私たちの居た場所は、誰も居なくなった。 原ちゃんは策士だから、右に逃げると見せかけて左に逃げてるんじゃないかなー…って思ったんだけど… すぐに見つけたんだけど原ちゃん!?まって、ここ私たちが居た場所からそんなに離れてないよ!?え、何で!? 「ちょ、神田絶対毎回持久走なめてかかってるだろ!速くないか!?」 何を言い出すんだ原ちゃん!? 持久走は速さなんて関係ないよね!? 何でなめてると思った!? 「だって原ちゃんそこまで離れてなかったんだもん!あと持久走に関しては体力の問題だよ!」 「とか言いつつ結局体力尽きてないじゃんか!全力で走れよ!」 待って、私結構疲れてる!きつい!疲れた帰りたい! 私は、原ちゃんを笑顔で追いかけながら行き止まりまで走った。幸い、行き止まりはすぐそこにあった。やった!これで帰れる! 「原ちゃんは私が捕まえるんだはい捕まえた!」 「雰囲気ぶち壊しだなおい!」 私は、原ちゃんを追い詰め、見事確保することができた。これであとは新井のみ!新井は片臣が捕まえてるだろうし、まあ大丈夫でしょ! 私たちは、最初の集合場所に戻った。片臣たちは前から居たみたいで、入口付近にあるブランコに座っていた。新井はゲンナリしていて、片臣はピンピンしている。何があった2人とも。 私は、新井たちに駆け寄った。原ちゃんもこみだ。安心してくれ。 「新井!きみはどうしてゲンナリしているんだい!?」 「それはね神田、俺がめちゃくちゃ追いかけたからだよ!」 「死ぬかと思った…」 …やっぱりさ、片臣。きみホラー映画とかの役向いてるよ?1回オーディション受けてみる?意外といけるかもしれないよ? そしてドンマイ!新井! 「帰ろーぜ」 「そうだね、飽きた」 「お前、飽きるの早すぎだろ…」 「神田はそれが通常運転だろ」 私たちは、4人横一列に並んで、談笑しながら帰った。
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