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いやー、本当に怖いよねえ。
「じゃあ、数えるよー!」
周りを見渡しながら、原ちゃん達に合図を送る。
2人は、バラバラに逃げていった。原ちゃんが右で、新井が左。十字路の曲がり角に、逃げる影が重なった。
あ、数えるの忘れてた。片臣ごめん。えっと…まあ、2秒くらいでしょ!多分!
「さーん、しーい、ごー…」
そこまで数えたあと
「ろーく…しーち…はーち…きゅーう…じゅう」
片臣が全て数えきり、私たちは同時にスタートした。私が左、片臣が右だ。私たちの居た場所は、誰も居なくなった。
原ちゃんは策士だから、右に逃げると見せかけて左に逃げてるんじゃないかなー…って思ったんだけど…
すぐに見つけたんだけど原ちゃん!?まって、ここ私たちが居た場所からそんなに離れてないよ!?え、何で!?
「ちょ、神田絶対毎回持久走なめてかかってるだろ!速くないか!?」
何を言い出すんだ原ちゃん!?
持久走は速さなんて関係ないよね!?
何でなめてると思った!?
「だって原ちゃんそこまで離れてなかったんだもん!あと持久走に関しては体力の問題だよ!」
「とか言いつつ結局体力尽きてないじゃんか!全力で走れよ!」
待って、私結構疲れてる!きつい!疲れた帰りたい!
私は、原ちゃんを笑顔で追いかけながら行き止まりまで走った。幸い、行き止まりはすぐそこにあった。やった!これで帰れる!
「原ちゃんは私が捕まえるんだはい捕まえた!」
「雰囲気ぶち壊しだなおい!」
私は、原ちゃんを追い詰め、見事確保することができた。これであとは新井のみ!新井は片臣が捕まえてるだろうし、まあ大丈夫でしょ!
私たちは、最初の集合場所に戻った。片臣たちは前から居たみたいで、入口付近にあるブランコに座っていた。新井はゲンナリしていて、片臣はピンピンしている。何があった2人とも。
私は、新井たちに駆け寄った。原ちゃんもこみだ。安心してくれ。
「新井!きみはどうしてゲンナリしているんだい!?」
「それはね神田、俺がめちゃくちゃ追いかけたからだよ!」
「死ぬかと思った…」
…やっぱりさ、片臣。きみホラー映画とかの役向いてるよ?1回オーディション受けてみる?意外といけるかもしれないよ?
そしてドンマイ!新井!
「帰ろーぜ」
「そうだね、飽きた」
「お前、飽きるの早すぎだろ…」
「神田はそれが通常運転だろ」
私たちは、4人横一列に並んで、談笑しながら帰った。
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