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私は、「フランスの美少年の同性愛」という、聞くだけでクラクラするような煌びやかな未知の世界に、まさに目から鱗がバリバリと音をたててはがれ落ちてゆく思いだった。そして、話を聞いているうちに沸き上がってくる数々の疑問をクロちゃんにぶつけた。男が男に身をまかせるとは一体どういうことなのか。大体そんなことが可能なのか。男と女の性さえ曖昧だった14歳の私たちにしてみれば当然の疑問だった。
「うーん、よくわからないんだけど…」
お相撲さんのカイケツに、ちょっと似ていたクロちゃんは
あだ名通りに色の黒い膝小僧をかかえながら
申し訳なさそうに首をひねっていた。
「でも、とにかくジルベールは、
男に抱かれてないと、おかしくなっちゃうの」
全く例外的な男性の姿だったのにかかわらず、
私は、このジルベールに物凄く惹かれていった。
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