泉のほとり

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私は5年生の1学期まで中央線と小田急線で通学していたので 高円寺まで彼女と同じ通学路でした。 駅の手前に長いだらだら坂があるのですが 彼女は足が不自由なのでゆっくりゆっくり上ってゆきます。 私も、もともと歩くのが遅いので 坂の途中で彼女と一緒になるのです。 そんな時は「やあ!」って感じで並んで歩きました。 ペースが同じでしたから。 オガコはたいてい一人でした。 何の話をしたのか…全然思い出せないのですが。 特に会話が面白いという感じではありませんでした。 発言はいつも真面目、でした。 彼女の親しかった友達とか、グループもあんまり思い出せないのです。 でもみんなに無視されてるとか、寂しそうって感じもないんです。 彼女は誠実だし、成績も常に上位キープだし 一目置かれてる感じはありました。 でも、クラスの中の存在感ていう意味では 「放っておかれてる」感じもありました。 あ、オガコもいたね~みたいな。つづきます
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