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キンモクセイと美少年
十代のある時期、私はある男の子に夢中になっていた。
彼の名前はジルベール・コクトー
1867年、フランス マルセイユ生まれ
彼のことを知ったのは、体育の授業中だった。
それがどんなきっかけだったかは記憶にないのだが、
後にも先にも1回も親しくしたことのなかったクロちゃんというあだ名の同級生が、漫画「風と木の詩」の粗筋を話してくれたのが最初だった。
ジルベールはその主人公だった。
私の通っていた学校は生徒も女ばかりなら先生もカトリック修道女だけ。
創設当時から変わらない校則が厳しく、ボーイフレンドどころか、男の子の話もしちゃいけない、というような学校だった。
もう40年前の話だから、今ではそんな異様な学校ないだろうけど。
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