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それは勤労感謝の日の事だった。
その日の朝。
車数台のドライブが開始されようとしていた。
私は公民館の仲間と駐車場にいた。
車どころか免許証も無い私は、ドライブに憧れていたからドキドキしていた。
行先は群馬の下久保ダムだそうだ。
私はこの公民館で週に一回料理とソシアルダンスを習っていた。
そのソシアルダンスの練習中、突然決まった合同ドライブ。
目的地には冬桜が咲いているはずだった。
車は順調に神流湖方面へ向かった。
その前に少し遠回りして、鏡岩のあると言う金鑽神社へ到着した。
そこで偶然に再会した同級生と坂を登ると、うっすらと景色の映る鏡岩。
「何処に勤めているの?」
アコが聞く。
「丸山電子でレンズを作ってる」
私は言う。
懐かしさが私の心に広がった。
(来て良かった)
私は心からそう思った。
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